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シニア世代でも挫折しない!スマホを使った健康管理の始め方

「スマホは難しくてよくわからない」「ガラケーで十分だし、私には使いこなせない」——外来診察でご高齢の患者様とお話ししていると、このような声をよく耳にします。確かに、次々と新しい機能が追加されるスマートフォンは、シニア世代にとってハードルが高く感じるかもしれません。

しかし、リハビリテーション専門医の立場から申し上げると、スマホほど「日々の健康管理」や「フレイル(虚弱)予防」において、手軽で頼もしいツールはありません。今回は、デジタル機器に苦手意識がある方でも絶対に挫折しない、スマホを使った健康管理の第一歩についてお話しします。

■ なぜシニア世代に「スマホ健康管理」が必要なのか?

加齢に伴い、筋力や心身の活力が低下する状態を「フレイル」と呼びます。フレイルは要介護状態の一歩手前ですが、早期に気づいて適切な運動を行えば、健康な状態に戻ることができます。この「早期の気づき」にスマホが非常に役立ちます。

最大の理由は、自分の活動量を「正確に客観視できる」ことです。「今日はよく歩いた」という主観的な感覚は、実はその日の体調や気分に大きく左右されます。しかし、スマホを持ち歩くだけで、内蔵されたセンサーが「今日は何歩歩いたか」を正確に記録してくれます。記憶や感覚ではなく「データ」として振り返ることで、「最近、少し歩数が減ってきているな(活動量低下のサイン)」といち早く気づき、対処することができるのです。

■ 挫折を防ぐ最大の鉄則:「あれこれ詰め込まない」

スマホを活用しようと意気込んで、最初から血圧記録アプリ、食事管理アプリ、脳トレアプリなど、たくさんのアプリをインストールしてしまう方がいます。しかし、これは挫折の大きな原因になります。新しい操作をいくつも覚えるのは、脳にとって大きなストレスだからです。

挫折しないための鉄則は「1つの機能」に絞ること。まずは最初からスマホに入っている「歩数計(ヘルスケア機能)」を見るだけ、という極めてシンプルなルールでスタートしましょう。

■ 失敗しない!スマホ健康管理の3ステップ

では、具体的にどのように始めればよいのでしょうか。以下の3つのスモールステップで進めてみてください。

  • ステップ1:まずは「ただ持ち歩く」だけ
    最初は画面を見る必要すらありません。外出時や家の中を移動する際、ポケットやポシェットにスマホを入れておく習慣をつけましょう。これだけで、あなたのスマホには自動的に健康データが蓄積されていきます。
  • ステップ2:1日の終わりに「数字を見る」
    持ち歩くことに慣れたら、夜寝る前や夕食後などに歩数計を開いて「今日は〇〇歩だった」と確認する習慣をつけます。「スーパーまで行ったから意外と歩いているな」と発見することが、歩く楽しさに繋がります。
  • ステップ3:アナログの「カレンダー」と組み合わせる
    アプリの操作が難しければ、スマホの歩数を見て、ご自宅の壁掛けカレンダーに書き写したり、目標(例えば3000歩)を達成した日にシールを貼ったりするのも立派なデジタル活用です。アナログな手法と組み合わせることで、モチベーションがさらにアップします。

■ 医師や家族との重要なコミュニケーションツールに

蓄積されたスマホの歩数データは、我々医師にとっても非常に貴重な情報源となります。診察室で「最近どうですか?」と尋ねられた際、「毎日これくらい歩いています」とスマホの画面を見せていただければ、医師はあなたの実際の活動レベルを正確に把握でき、より的確なアドバイスや薬の調整が可能になります。離れて暮らすお子様やお孫様に「今週はこれだけ歩いたよ」と報告するのも良いでしょう。

■ まとめ:スマホは健康寿命を延ばす「小さな相棒」

スマホは決して「難しい機械」ではありません。あなたの健康寿命を延ばし、自立した生活をサポートしてくれる「小さな相棒」です。

まずは「持ち歩いて、たまに歩数を見る」。これだけでも素晴らしい健康管理のスタートです。焦らず、ご自分のペースで新しい習慣を取り入れ、楽しみながら健康づくりを続けていきましょう。


リハビリテーション科 専門医・指導医 / 医学博士。
25年の臨床経験と、東大大学院の講座で習得した最新AI技術を掛け合わせ、自宅での自主訓練を支援するアプリ開発に取り組んでいます。
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